2021年6月

1.毎年、2月の冒頭に、首都ワシントンD.C.で行われるアメリカの国家朝餐祈祷会は、今年は、アメリカ大統領がトランプからバイデンに代わり、ZOOMを通しての配信となりました。その新大統領であるバイデンのスピーチを入手しましたのでご紹介したいと思います。この会合はアメリカのクリスチャンである国会議員が、毎年、大統領を招いて行われる朝餐祈祷会ですが、歴史は古くアイゼン大統領時代から始められたそうです。世界中から出席者が招待され、4000人ほどの人々が一堂に会します。私も過去に13回ほど参加いたしました。

バイデン大統領 演説のご紹介


JOE BIDEN Jr.

I’m Honored to Join This Year’s National Prayer Breakfast.

What We Know This Time Is Different. Over 400,000 Of Our Fellow Americans Have Lost Their Lives to A Deadly Virus. Millions Are Out of Work. We See Long Lines for Food at Food Banks That Stretch for Miles. We Hear the Call for Racial Justice, Some 400 Years in In the Making. And We Know the Dream but More Importantly the Reality of Justice for All Cannot Be Deferred Any Longer. We See the Existential Threat of Climate Crisis That Poses to Our Plan and Everywhere We Turn. With More Severe Floods, Stronger Hurricanes, More Intense Wildfires. We Just Have to Open Our Eyes. We Just Witnessed Images That We’ve Never Imagined, Images That Now We Will Never Forget, The Violent Assault on Use Capital, An Assault on Our Democracy, On Our Capital, AA Violent Attack That Threaten Allies and Took Lives. We Know Now We Must Confront and Defeat Political Extremism, White Supremacy and Domestic Terrorism. For So Many in Our Nation This Is A Dark, Dark Time. So Where Do We Turn? Faith Kierkegaard Wrote, Faith Sees Best in The Dark. I Believe That to Be True. For Me, The Darkest Moments Faith Provides Hope and Solace, Provides Clarity and Purpose as Well. It Shows the Way Forward and As One Nation in A Common Purpose to Respect One Another, To Care For One Another, To Leave No One Behind These Are Not Democrats or Republicans Going Hungry in Our Nation. They Are Our Fellow Americans, Fellow Human Beings.

The Bible Tells Us We May Endure for A Night but Joy Cometh in The Morning. (Psalms 30:5)

We Still Have in Front of Us Many Difficult Nights to Endure, But We Will Get Through Them Together. We Will Need One Another. We Need to Lean On One Another. With One Another Up and With Faith Guide as To the Darkest into The Light. May God Bless You All and May God Protect Our Troops…

(私訳)

今年の国家朝食祈祷会に参加できることを光栄に思います。

今回は、私たちは、いつもと違うということを知っています。私たちの仲間であるアメリカ人の40万人以上がその命を致命的なウイルスによって失いました。また何百万もの人々が仕事を失いました。私たちはフードバンクでの食料を求めて数キロ以上の長い列をみました。私たちは 人種的正義への要求を実現するために400年も耳で聞いてきました。私たちは夢を抱いてきたけれど、もっと重要なのはその現実です。

すべてのことをこれ以上延ばして行くことはできません。気候変動の危機は実際に脅威として存在し、私たちの計画は中断され、至る所で変更せねばならないのです。より深刻な洪水、より強いハリケーン、より激しい山火事が起こっているのです。

私たちは目を開く必要があります。 私たちは今までに決して見たことのないない、忘れられない現状をこの目にしました。国会議事堂に対する暴力的な行為と民主主義の侮辱を。その極度の暴力は私たちの同僚仲間を恐怖に陥れ、その生活を奪いました。私たちは政治的な過激派や、白人至上主義、および国内テロリズムに直面し、それに打ち勝たねばならないことを今、悟ったのです。私たちの国の非常に多くの人にとって、これは暗い、暗い時です。 それで、私たちはどこへと行くべきでしょうか。信仰についてキェルケゴールはこう書いています。「信仰は暗闇の中で最善を見出すのです」と。それが真実であると私は信じています。私にとって、暗い時に、信仰は希望と慰めを与え、同様に明晰さと目的を与えてくれるからです。それは前へと進む道を示し、お互いを尊重し、お互いを気遣い、これらの後ろには誰も置き去りにしないという国家の共通の目的を示してくれるからです。そこには私たちの国を貧弱にさせるのは民主党か、共和党かでもないのです。彼らは私たちの仲間であり、同じ人間なのです。

聖書は私たちに教えています。

「夜はよもすがら泣きかなしんでも、朝と共に喜びが来る。」(詩篇 30:5)

私たちの前には、まだ耐えがたい多くの困難な夜がありますが、私たちはそれらを一緒に通り抜けましょう。 私たちはお互いに学ぶ必要があり、光へと通じる最も暗い時として、信仰の導きによってお互いに助け合って行きましょう。神がすべての人々を祝福してくださるように。神が私たちの群れを祝福してくださるように。

【コメント】

どうでしたでしょうか。バイデン大統領は30代で民主党の国会議員となり、大統領選には3度目の出馬です。88歳という最高年齢者のアメリカ大統領に選ばれました。カトリック信者としては、ケネデイに次いで2番目のアメリカ大統領。このスピーチから伺えるのは、民主主義への価値観として、人種差別や暴力に対して怒りをもって表現されています。しかもこの時代を分断するのではなく、共に一つになってそれを是正しようという意思も感じられます。キルケゴールと聖書の詩篇の言葉を引用して、それを自分の信仰の信念として語っていることが判ります。

9条世界宗教者会議より


2. この3月上旬に行われました日本キリスト協議会「第8回9条世界宗教者会議」に参加しましたので、短くその様子を紹介させていただきます。

新型コロナ感染予防のため海外からの参加者を含め、ZOOM会議によって行われました。詳細は期間限定で、日本キリスト教協議会ホームページで閲覧できます。

この会議は2年に一度の頻度で日本国憲法9条を平和憲法の象徴としてとらえ、宗教者による「世界平和の実現」のため開催された会議です。私はその準備委員会委員長の立場で参加しましたが、特にドイツから発表されましたDr.Repp氏の論文をここでご紹介したいと思います。彼の主張は「伝統的平和主義から安全保障再考へ」のテーマで論じられたもので、ご本人の承諾を得ましたので、全文をこちらの別ページへ(クリックしてください)掲載いたします。

クリスチャンプレス活動中止について


3. 約3年前に、一般在団 日本聖書協会に私が在職中に「クリスチャン プレス」というキリスト教界のニュースを中心としたWEBのサイトを立ち上げました。

昨年、私が当財団を退職したのち継続しておりましたこのサイトがこの3月末をもって、当財団の決定により「本来の使命を果たした」ということで廃止されることになりました。

その存続を願って、今まで数名のスタッフで運営して参りましたが、そのスタッフによる協議の結果、自主任意のグループとして「日刊キリスト新聞 クリスチャン プレス」と名前を変更し、この4月よりWEBサイトに継続掲載することになりました。

過去のデータをベースとして、暫定的にキリスト新聞社との協働管理の形をとっていますが、今後、財政的な問題を含め将来への歩みを模索中です。ぜひ、今後のためにお祈りください。

「日刊キリスト新聞クリスチャン プレス」で索引するとご覧いただけます。

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