聖書のみことばから 7月号

旧約聖書  イザヤ書54章5-10節

あなたの造り主があなたの夫となられる。その御名は万軍の主。あなたを贖う方、イスラエルの聖なる神、全地の神と呼ばれる方。 捨てられて、苦悩する妻を呼ぶように、主はあなたを呼ばれる。若いときの妻を見放せようかとあなたの神は言われる。
わずかの間、わたしはあなたを捨てたが、深い憐れみをもってわたしはあなたを引き寄せる。ひととき、激しく怒って顔をあなたから隠したが、とこしえの慈しみをもってあなたを憐れむと、あなたを贖う主は言われる。これは、わたしにとってノアの洪水に等しい。再び地上にノアの洪水を起こすことはないと、あのとき誓い、今またわたしは誓う、再びあなたを怒り、責めることはない、と。 山が移り、丘が揺らぐこともあろう。しかし、わたしの慈しみはあなたから移らず、わたしの結ぶ平和の契約が揺らぐことはないと、あなたを憐れむ主は言われる。

解説

今日の聖書の箇所は、イザヤ書からですが、散文形式なので、判り易く解説いたします。時代は紀元前600年前ごろ、イスラエルの国の半分、北側は侵略を受け滅亡しますが、南側はバビロニア帝国によって侵略された後、捕囚されたユダヤ人は解放され、国を失うことなく、再興を果たすことになりました。聖書は、国を失ったことは人々の背信行為に神は怒りをあらわされたからだと説明をしています。しかしながら、神は憐み深い方であるので、先祖に約束した祝福の恵みを覚えて、南側の国は滅びず、残されたのであると預言者の言葉を通して語られております。
それを、神を夫、国を妻になぞらえ、夫は背信の妻をそのままにすることはできない。一度は怒りを顕したが、その妻を深い慈しみと憐みを持ってより戻す。それはノアの洪水を起こしたとき、8名の者だけが箱舟によって救われたが、神は非常な後悔をもって2度と洪水で多くの人々を滅ぼすことをしないと誓われたのに似ています。その子孫は決して滅びることはない。これが妻との誓だと述べているのです。実際、ユダヤの国は、その後、イエス・キリストを誕生させ、ローマ帝国によって土地は失いますが、2000年の間、流浪の民として現在まで存続できたのも、この神との約束に基づくものです。そして1948年にイスラエルと言う国が昔の場所に再び建国することができました。
その誓の言葉が、「山が移り、丘が揺らぐこともあろう。しかし、わたしの慈しみはあなたから移らず、わたしの結ぶ平和の契約が揺らぐことはないと、あなたを憐れむ主は言われる。」という最後の文章です。天地異変が起こったとしても、ユダヤ民族を必ず守りその慈しみは永遠に続くという内容です。
クリスチャンにとっては、神から遣わされた神の御子主イエス・キリストの救いの約束は、山が動いても、丘が動いても、イエス・キリストが与える祝福は、どのようなことがあっても私たちを愛し、慈悲深く、憐み深いか方であることをこの御言葉によって確信することができるのです。

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